改良された求人 兵庫

『教育社会の設計』という本の中で、著者のY野一和T工大教授(当時)は、「実態分析を主軸に、理念と政策との三者関係を論理的に位置づける作業が、教育改革を『実』のあるものにする作法だ」と言う。 「理念.実態.政策」の三者を有効に結び付けろ、というY野氏の意見に全面的に賛成である。
さらにY野氏は、アメリカやイギリスの例を引いて、教育政策をめぐって「膨大な調査データを踏まえた論争になっている」ことを羨望する。 裏返せば、日本の教育政策においては、もっとも基礎的とも言えるこうした情報が欠けているからである。
入試ミス事件の報道とほぼ時を同じくして、もうひとつ、国立大学の問題がメディアを騒がせた。 「聖域なき構造改革」を掲げるK泉内閣が、国立大学の「民営化」を提唱し、今や終盤にさしかかった国立大学の独立行政法人化の議論に飛び火したのである。
国立大学の設置形態をどのようにするか。 そこには、当然ながら、大学教育にかかる費用を、誰がどのように負担するかという、財政の問題が絡む。

その点で、日本の大学改革は、Sチャー政権下で実施されたイギリスの改革をモデルにしていると言われる。 Y野氏の著書によれば、当のイギリスでさえ、大学財政を誰がどれだけ負担するかを変更するに際し、大学教育の社会への貢献度と個人への貢献度をそれぞれ把握するための経済分析.財政分析が基盤にあったという。
そのような基礎的データもなしに、受益者負担論がまかり通る日本-だからこそ、「国立大学を民営化すれば、すべてが解決するかのような意見が閑歩する」のだろう。 思いつきや勢いだけの改革が何をもたらすのか。
副作用を含め、結果が出るまでに長い時間がかかる教育という営みについては、政策の有効性を判断するための正確な現状分析と、絶えざる政策評価とが求められる。 私自身、M部省の教育改革をめぐって主張してきたのも、Y野氏の言う「理念.実態.政策」の三者の関係をふまえておくのが、改革を成功させるうえで不可欠だと考えたからにほかならない。
ためにする批判ではないのだ。 今や世をあげて構造改革に突き進む時代である。
教育のSも例外ではない。 構造改革には痛みが伴うという。
たしかに、既存制度の行き詰まりを打破するためには、ある程度の犠牲もやむをえない。 そうした痛みが社会的に受け入れられるためには、その痛みの対価として、どれだけの成果が上がったのかが正確に評価.検討され、その結果が公表されなければならない。

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